飛雪の滝(令和7年1月6日)
昨年末、恒例行事にしている熊野古道伊勢路を歩いてきました。初日は250kmの山道を走るロングドライブです。
朝6時に家を出て、京奈和自動車道を五条で降り、コンビニで朝食をとってから新宮へ向かう日本一長いバス路線のある国道168号線を南下します。
この道を最初に通ったのは半世紀以上も前、大学受験に失敗した時です。
南紀一周の自転車旅行に出たのですが、途中でしんどくなって新宮からこの道を抜けて帰ってきました。
当時はトンネルも狭く、車におびえながら走っていたことを覚えています。
まだ車のすれ違いに困難な箇所はありますが、当時と比べるとだいぶ道路整備が進んできています。
途中熊野本宮大社にお参りしてから鵜殿駅に行き、駅前に車を止めて前回歩き終えた阿田和駅に向かいます。
阿田和からは海岸沿いのルートですが、ガイドブックには一般道の緑色のルートと世界遺産登録されている海岸沿いの茶色のルートが示されています。
海岸沿いの道を進む予定でしたが、案内板もなくそれらしい道は見当たらないので、緑色で示された道を歩くことにしました。
この道は国道42号に沿った旧道で舗装されたアスファルトの上に「熊野古道と矢印」が書かれています。
昼食は以前行ったことのある道の駅紀宝町ウミガメ公園で名物のシラス丼を食べる予定でしたが、旧道を歩いていたためいつの間にか通り過ぎてしまいました。
戻る気にはなれないのでそのまま歩き続けますがコンビニなどはありません。
紀伊井田駅まで歩き、駅のベンチで持ってきたおやつで済ませることにしました。
幸いウイスキーのポケット瓶が残っていたので、不満のない昼食になりました。
昼からも同じように旧道を歩きましたが、途中から国道を横切り防風林を抜けて防波堤に上がりました。
防波堤の上には幅3mほどの歩道が延々と続いています。
左には打ち寄せる波、右には防風林の光景がずっと続き、所々釣りをしている人がいてその上空を数匹の鳶が飛んでいます。
途中旧跡に立ち寄ることもなく最後の伊勢路にしては単調な巡礼になりました。
伊勢路のガイドブックには最後にドライブコースとして新宮から熊野川の左岸をさかのぼるルートが案内してあります。
熊野速玉大社にお参りしてから宿泊する南紀田辺へはこのルートでに行くことにしました。
道は車のすれ違いが困難な狭い道で、上流に採石場があるのかひっきりなしに巨石を積んだ大型のダンプとすれ違います。
30分ほど走ると「飛雪の滝」が見えてきました。一枚岩を流れ落ちる滝は、落差はそれほどありませんが見ごたえがあります。
周りはキャンプ場になっているようで、テントサウナがいくつか置かれており、バスタオルに身を包んだ人がいます。
滝の見学を終え先に進もうとするとおじさんが立っていて、ここから先は通行止めだそうです。
途中に迂回のルートもなく橋もなかったので新宮まで戻らなければなりません。
また、大型ダンプとのすれ違いに気を使いながら新宮まで戻って、右岸側の国道を通り南紀田辺に向かいました。
今回のルートで熊野古道伊勢路の全ルートを終え、13年かけて世界遺産に指定されている中辺路、大辺路、小辺路を家内と二人で歩き切りまた。
今年からは和歌山から南紀田辺に至る紀伊路をまた歩き始めようと思っています。